Neo Culture #Journal

Neo Culture #Journal

ある文化がある異文化を受容するには、母体となる文化においての既成概念の破壊と伝統の再構築が必要となる。 Neo Cultureは、その過程を人為的かつ局所的に再現しようとする、一種の実験である。webページ: horizon.boston

Smart鰤子 その4「秋田ワーホリ!-ビリヤニ研究編」

 チャオ!鰤子です!

f:id:Neo-Culture-journal:20220315225137j:plain

 秋田ワーホリブログの続きです!実は今回の秋田ワーホリには前回の記事で触れなかった真の目的があったのです!それはなんと~!

 うちの代表がビリヤニの2割の続編、ビリヤニの2割5分を書き始めるいうことでそのためのネタの検証!をする必要があったのですが、それに星みやが協力してくださる!ということでキッチンに上がり込んで一緒に作業をさせてもらったのでした!

 ※注; この記事は相当マニアックです。

 

今回の検証テーマはこちら!

①バスマティライスを炊いたときにチンアナゴ現象が起こる条件

②バスマティライスの下茹で時に使う油はどれくらいの量が適当か

③ダムしたときに米の下層が潰れることがあるが、それは何によって引き起こされるのか

 

 上記テーマについて星みやの協力のもと、検証考察をしてまいりました!では今回の検証で分かった事をここにレポートしていこうと思います!

 

①バスマティライスのチンアナゴ現象が起こる条件

f:id:Neo-Culture-journal:20220314184503j:plain

 そもそもチンアナゴ現象っていうのは何かっていうとバスマティライスを炊いたときに、米が立つ現象のことです。と、もっともらしく言いましたけど、これは鰤子が勝手に付けた名前です。なんとなくチンアナゴっぽいなって思うたんでw

 ちなみにチンアナゴ現象は人為的なもので起こすのに何か特殊なものが要るかっていうと、全然そんなことありません。下の写真みたいな感じで、茹でたバスマティライスをお湯をきって放置しておくと勝手にチンアナゴします。つまりチンアナゴ現象自体はほとんど自然現象と言えますね。

f:id:Neo-Culture-journal:20220316160019j:plain

 ただ鰤子はビリヤニを炊くときに、米の上からグレイビーをどばがけしたりバナナリーフでフタしたりするんで、チンアナゴ現象とは無縁のビリヤニを炊いてきたわけなんです。ですが星みやマトンビリヤニの炊きあがりがあまりにチンアナゴで、これは一体どういうことなんやとちょっと知りたくなったわけなのです。っちゅうわけで検証!

 鰤子が行った事前調査では、完全なチンアナゴ現象が起こった時のバスマティライスの形状は”し”とか"√"みたいな左右非対称な感じではなく、およそ左右対称な”U”に近い形になることが分かりました。ここからは便宜上”U”形状であることとして話を進めていきいます。

 そもそもバスマティライスは日本米に比べ随分細長い形状をしていますが、この細長い米は炊くことでさらに長く伸びます。上手に炊けば余裕で2倍くらいになります。バスマティライスは、その米粒が伸びていくときに”U”形状に勝手になるのかというとそうではなく、湯取り法で鍋の中で茹でるときはお湯の中でほぼまっすぐ伸びていきます。このことから察するにチンアナゴ現象は、炊きあがったバスマティライスが蒸らしの段階でさらに少し伸びるときに、なんらかの理由によって”U”形状化すると考えられます。

 今具体的に、炊きあがったビリヤニがフタを閉じた鍋の中でチンアナゴ現象を起こす場合、チンアナゴ現象を起こす米は炊きあがったビリヤニの表面に限られます。そして炊きあがった鍋の中で、米の形状に作用する要素はまず重力、そして水分の蒸発、温度です。チンアナゴ現象を起こしたビリヤニ表面の米の一粒に注目して考えると、この一粒の米の重心には下方向に重力が作用しています。そして熱々の水分を含んでいるため、それによって米の持っている水分は重力と反対方向に蒸発していきます。つまり上方向です。また表面の米は下に分厚い米の層があり、同様に下の米の層は上方向に水分を蒸発させます。このことから表面の米粒は下向きからは常に水分の供給を受けますが、逆に上部には空間があるため水分が失われていきます。そして水分が蒸発する米の上面と水分の供給がある米の下面で水分量の差が生じ、上面が下面に比べて乾燥した状態に近くなることで、両者の線膨張率に差が生じ上面よりも下面の方が長く伸びることで左右均等な”U”形状になるのではないかと考えています。また米の上面と下面では、空間と接しておりかつ水分が蒸発して失われていく上面の方が下面よりも温度が低くなっているとも考えられ、これも上面と下面の伸びの量に違いを及ぼしている要因の一つと思われます。

 ただお湯から引き揚げたバスマティライスが上方向に向けて”U”形状を形成し始めるまでに、お湯から引き揚げた瞬間からどれくらいの時間がかかるのかが分かりませんでした。ビリヤニを作るときに取っ手付きのざるでお湯から引き揚げたバスマティライスを直接グレイビーに重ねてダムすれば、チンアナゴ現象は発生しやすいのですが、一度ざるでどばーっとお湯をきってそれをグレイビーに重ねてダムをしたときにはチンアナゴ現象が発生しないこともありました。お湯から引き揚げたバスマティライスはその後何秒間の間に”U”形状になる方向が固定されるのか、それを正確に探りたいところですが、今のところはお湯から引き揚げたバスマティライスはある程度の早い時間に、その時の上方向に”U”形状を形成する方向が固定されのではないかと思われるというところまでしか分かっていません。チンアナゴ現象を起こしたければ、今のところ分かっている割りと確実な方法はお湯から引き揚げたバスマティライスを、直接グレイビーに重ねてダムするということです。

 またチンアナゴ現象は、ダムの最終段階の蒸らしの過程で”U”がより成長することもなんとなく分かっています。もしかすると線膨張率の違いや上面下面の温度差による伸びの量の違いではなく、伸びきった米の上面が単に乾燥することによる収縮が”U”形状化を引き起こしている可能性もありますし、ここでの考察を全く違う理由によるものの可能性もあります。 

追って検証します!

 

②バスマティライスの下茹で時に使う油はどれくらいの量が適当か

f:id:Neo-Culture-journal:20220315224839j:plain

 結論!余程入れすぎなければ食べた感じも重くならないので、油やギーは結構入れても大丈夫!ということが分かりました!1リットルにつき大さじ1くらい入れても大丈夫ですが、湯切りのときに結局流れてしまうので、もったいないと感じない範囲で入れるといいでしょう。食べた感じに直接影響するのはやっぱりグレイビーを作り始めるときの油の量です!それを減らすことで食べ口は軽くできますが、米を茹でるときに多めの油やギーを使うことで、食べたときの口当たりにさほど影響を与えずに旨味を補うことができることが分かりました。

 なお、グレイビーを作り始めるときの油の量に関しては、日本人向けにはだいたいこれくらいの量がええやろう、という目安は代表が去年検証して割り出しています。こちらは何かの機会かビリヤニの2割5分に書かれると思います!

 

③ダムしたときに米の下層が潰れることがあるが、それは何によって引き起こされるのか

f:id:Neo-Culture-journal:20220315224907j:plain

 写真のビリヤニは米が下、その上にグレイビーというスタイルです。この手のビリヤニでは米の一番下はおこげっぽくなります。おこげそのものは、例えばイランでもとても有難がられるものなので、できることに何の問題もありません。しかしおこげができたとき、その周辺の米は潰れてはいないということを確認しましょう。おこげができても、おこげは鍋底に接している部分がパリパリになるだけで、そのお焦げに接している部分の米は普通の状態を維持しています。写真の場合は鍋底部分はおこげになっていませんが、鍋底から1㎝くらいの厚さの部分の米が潰れて団子状にくっついてしまっています。これは米の潰れで、おこげとは似ても似つかない全く異なる現象で、ビリヤニを炊くにあたって必ず避けなければなりません。

 インドでよく見るビリヤニは一番下がグレイビーで、その上に下茹でされた米が乗っかります。そういうビリヤニではおこげはできません。(肉が鍋底にこびりついておこげっぽくなることはありますが、それもまた全く問題ありません。)しかしそういうビリヤニで米が潰れないかというとそれもまた違って、潰れるときは普通に潰れます(米最下層タイプと違って確かに潰れづらい気もしますが)。といっても米が気まぐれで潰れたり潰れなかったりするわけではないので、潰れる条件がそろっていれば何回やっても米は潰れますし、潰れる条件が一つもなければ何回やっても米は潰れません。では米が潰れる条件とは何があるのでしょうか、それを今回は検証してみました。

 まず米が潰れる、という言葉からは”重さ”が連想されそうですが、重さは関係ありそうです。米の種類によって大量に一度に炊くと潰れやすかったり潰れづらかったりっていうのもないとはまだ言い切れませんが、KALAARは比較的安いブレンド米ですが3kgで炊いても上手に炊けば潰れませんし、LAL-QUILLAのような高い部類の米であっても条件が揃えば2㎏で潰れることはあります。ただ、バスマティライス1㎏で炊いた場合には米が潰れるという現象にはまだ遭遇したことがありません。だから潰れないということではないと思いますが、量が少ないと恐らく潰れづらいんやないかとは思います。

 次にさっきの潰れた部分を食べてみたんですが、それはもう全く美味しくないレベルで味がありませんでした。また鍋底から1㎝の部分がくまなく潰れているわけでもなく、黄色くなっている部分、つまりグレイビーが浸透している部分は割と潰れていませんでした。このことから、グレイビーが米に浸透することで米が潰れづらくなるということが言えそうだということが単純に分かるのですが、グレイビーには水と油が含まれているため、そのどちらが米の潰れづらさに関与しているかはさらに深い検証が必要となりそうです。ただ、鰤子的には油が米の潰れを防いでいるんじゃないかと思っているので、次はそれが分かるような検証をしてみようと思います!

 

 ではこの記事の最後に、鰤子のビリヤニ七不思議を一つ紹介します!(ちなみにまだな七つ揃うてません!爆)

f:id:Neo-Culture-journal:20220320222132j:plain

 見てください!この縦横無尽にチンアナゴする左下のビリヤニを。先ほどの考察は一体なんやったんや!っていうビジュアルと、どうやったらこんな見た目になるんやっていう不思議過ぎるビジュアル。宇宙の法則完全無視ですね!まだまだ謎が尽きません~星みやさん!今後も検証手伝ってください~っていうか鰤子の代わりに検証してください~!w

 

鰤子