Neo Culture #Journal

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ある文化がある異文化を受容するには、母体となる文化においての既成概念の破壊と伝統の再構築が必要となる。 Neo Cultureは、その過程を人為的かつ局所的に再現しようとする、一種の実験である。

ニハリ・マトンスープの項-北インドのおうちカレー 上

〇ニハリについて

 

<加筆>

南アジア全体の料理の中でかなりのバリエーションが存在し、最も定義づけが難しい料理の一つと思われる。

下記に私が収集したニハリの定義を箇条書きにしていく。下記の全てがニハリであるが、また同時にニハリではない。

①パヤを使うスープ状の煮込み。寒いとき、寒くて風邪を引きそうなときに食べる。(風邪をひいた時には食べない)本書のニハリがそれで、教わった方からは「パヤを使わないとニハリとは言わない。このレシピはパヤでしか作られない。骨付きマトンでこのレシピはNG。」と言われている。そして重要なのはスープの部分。スープは濁らせない。

②マトンを使うスープ状の煮込み。本書のマトンスープがそれにあたる。ニハリはイスラム教徒の料理であるので、ネパールやインドのヒンドゥー教徒のコミュニティではニハリと呼ばれず、スープやシチュー(ストゥーもしくはイストゥー)と呼ばれることがある。ただし、ヒンドゥー教徒のスープ、シチュー(ストゥーもしくはイストゥー)が必ずしもニハリとなるわけではなく、全く別の料理を指すこともしばしば。マトンを使うものをニハリと呼ぶ場合、パヤを使ったものはそのまま”パヤ”と呼ばれる。肉とスープの価値は同等。

③パヤを使うが玉ねぎ、トマト、スパイスをふんだんに使うカレー的なもの。ただし通常のカレー的な作り方とは異なり、まずパヤをしっかりと煮た後、煮汁を煮詰めマサラと合わせる。パヤマサラとも呼ばれるが、このニハリをパヤマサラと呼ぶ人はニハリとパヤマサラを厳密に区別する。大事なのはマサラ。

④マトンを使って③と同じ要領で作るカレー的なもの。ぱっと見マトンカレー。肉とマサラの価値は同等。

⑤①と③の中間のようなもの。パヤがさらっとしたマサラに合わせてある。やはり大事なのはスープ。

⑥②と④の中間のようなもの。さらっとしたマサラに合わせてある。やはり肉とスープの価値は同等。

➆③~⑥のニハリにギーやマッカンを(大量に)投入する。朝ごはん。表面に浮いたローガンやギー、


マッカンがありがたがられる。

 

まとめ

とにかく共通する要素は、

①長い煮込み時間(マトンで最低4時間、パヤはもっと)

②骨から出る出汁

③できれば炭か薪で炊く

④煮込み中はぐつぐつさせない

⑤パンと食べる(パン以外で食べるニハリ探してます)

⑥寒い時期によく食べる(ケラライスラム教徒はほとんど食べない人も多くいる)

➆ニンニク料理

また、ニハリのバリエーションとしてはビーフニハリ、ブレイン(羊の脳)ニハリ、チキンニハリ等あるが、○○ニハリと付けなければならないということはすなわち、ニハリと言えば本来はマトンかパヤである、というところまでは定義を絞れる。別に定義を絞ることが目的でもないが、料理をする人間として自分は「ニハリの定義を考える=ニハリ特有のおいしさを探る」ことだと考えている。美味しければなんでもいいという言葉は正しいが、それでは私がニハリを作る意義も失われてしまう。

*チキンニハリに関しては、そもそもそんなに見かけるものでもないが、牛や羊ほどの煮込み時間を確保できないためこれホントにニハリの体を保っているものがあるのか調査中。(たまに、とにかくパンチの効いたチキンマサラみたいなものがチキンニハリと言われているものを見かける。)